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Gekka Ranshou

月下濫觴 朧ろに瘡く 覚醒夜行

彷徨い出でて知り初めし
    月の明かり在り
        頬斬る明がり在り

影 深く闇の底蠢く
  “宿世の業”
    手ですくい 指からこぼれ落ちる

人の間に間に人間は生きて
   もう始まっていりそこで ほらそこで

月下濫觴 朧ろに瘡く 覚醒夜行

時 皆去りて鬼気薫る
    狂いの渦在り
         生問う渦狂り

飛沫咲きひらりひらり蜉蝣は
  “現身まねて”
     杲敢無さまでも重ねて映る

人の間に間に人間は生きて
   この肉体だけではとめられぬ 風が吹く

月下濫觴 朧ろに瘡く 覚醒夜行

玉響の風 心に染みて
   常しえ蓮華の雫降る

我と我が身がもつれ往く
    ここに道在り
        唯在く道在り

石踏みて遮二無二転ひて
   “創痍なり”
     傷愛しく 前に進む我を知る

人の間に間に人間は生きて
   今 再び己れを産み出す 羽化変化

月下濫觴 朧ろに瘡く 覚醒夜行

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